木村忠正の仕事部屋(ブログ版)

ネットワーク社会論、デジタル人類学・社会学研究者のブログです。

ChatGPTは怖くない!?~学生がレポートでChatGPTを使ったら・・・~

ちょうど5年前となる2018年6月のエントリーで、「「キュレーション型剽窃」の悪質さ~若手研究者研究倫理の現状~」を投稿しました。 そのエントリーのきっかけとなったのは、ある公益財団法人が主催する大学(院)生を対象とした顕彰論文事業なのですが、今…

「情報行動研究における質問紙調査とログデータ」

「日本人の情報行動調査」は、東京大学大学院情報学環を主軸とする研究プロジェクトで、1995年から5年ごとに全国調査を実施しています(小職は、2015年調査、2020年調査に参加させていただきました)。その最新調査である2020年調査にもとづき、日本人のメデ…

「ポストコロナ社会」を構想する視座

「「失われた30年」(1991年~2020年)とは何か?」という拙ブログ記事で、アメリカ留学からみたときにも、「失われた30年」は、日本社会がグローバル社会で相対的地位を低下させてきた現実であることを議論しました。 ただ、それは、量的存在感のことであり…

「失われた30年」(1991年~2020年)とは何か?~アメリカ留学からみるグローバル社会における日本の相対的位置~

2020年度、21年度、新型コロナ禍は、大学生たちの生活、活動を大きく変えてしまいましたが、「留学」は、その中でも、最も大きな影響を受けた活動の一つです。立教大学社会学部でも、留学を計画しながら、延期せざるをえない学生たちが多くいます。そこで、…

立教大学院社会学研究科がホット/クール??(志願者急増の謎)

この記事は、立教大学院社会学研究科の受験を考えている方を対象としています。予めご承知おきください。また、本記事は、「グローバル化の進展と文系大学院教育」で議論したことに多くを基づいています。まだご覧になっていらっしゃらない方は、是非、合わ…

拙著『ハイブリッド・エスノグラフィー』刊行

この記事は、拙著のパブリシティを意図しております。お読みいただく場合には、予めご承知おきください。 2018年11月1日付で、『ハイブリッド・エスノグラフィー~ネットワークコミュニケーション(NC)研究の質的方法と実践』を新曜社より上梓しました。 新…

World Internet Project フランス国際会議

WIP(World Internet Project)は、1999年から活動を開始し、2017年9月現在で東欧、中東、中南米地域も含む39カ国の研究チームが参加する国際的なインターネット利用行動調査プロジェクトです。 https://www.worldinternetproject.com/ WIP日本チームは2000…

「キュレーション型剽窃」の悪質さ~若手研究者研究倫理の現状~

キュレーション(Curation)世代にとって剽窃(plagiarism)は当たり前なのか?(怒) わたしは、ある公益財団法人が主催する大学(院)生を対象とした顕彰論文事業の審査委員長を務めています。 今年度の審査で、最終論文選考に残った応募論文のうち、2件で…

機械とヒト

人工知能についての議論が活発になっています。 わたしは、1980-90年代、「認知革命」=第二次AIブームと言われた時期に、「認知人類学」という分野に興味を持ち、人類学におけるもっとも基盤となる専門分野にしました。 University at Buffaloの指導教員で…

アラブの春はソーシャルメディア革命だったのか

小職は、拙著(木村忠正(2012)『デジタルネイティブの時代』平凡社新書)序章で、「アラブの春はソーシャルメディア革命だったのか」を論じました。「アラブの春」は、ソーシャルメディアと民主主義との関係について、多様な議論を引き起こしてきています…

グローバル化の進展と文系大学院教育

この拙文も、立教大学社会学部、大学院社会学研究科に関心のある方、受験生、在学生、卒業生を念頭に書いています。この点、予め、ご承知おきください。 4年前に東大駒場から立教社会に移る際に考えたことを、改めて振り返り、前回の記事では、学部教育につ…

立教に移って4年度目~大学は気球・国立より優れた教育環境~

この拙文は、立教大学社会学部、大学院社会学研究科に関心のある方、受験生、在学生、卒業生を念頭に書いています。この点、予め、ご承知おきください。 私は2015年度に、東大駒場(総合文化研究科)から、立教社会に移りました。 前職は、私が日本で文化人…